5年前の2014年10月2日、その日も今日と同じような曇り空だった。右も左もわからない僕は、少し…ではなく、ある程度の貯金を持ってカナダ・バンクーバーの地を踏んだ。
今日でちょうど5年。
いい区切りなので、今の僕がこの5年間で得たもの・失ったものを綴ることとする。いや、綴っちゃう!
自分の状況を正直に書いているので、夢を見てる人をがっかりさせることもあるかもしれないし、むしろもっとバンクーバーに行きたいと思う人がでてくるかもしれない。とりあえず、海外生活ってどんなものか気になっている人は読んでみてください。
バンクーバーで得たもの
永住権
永住権ホルダーになりました。住み放題、働き放題でございます。渡航を決意したときの最大のマイルストーンを5年目だった今年、クリアできました。この5年間の状況は、
- 語学学校 3ヶ月
- 専門学校 2年3ヶ月
- 就労 2年6ヶ月
という感じです。
カナダの永住権はポイント制なのですが、これに大きく貢献したのが学歴(理系学士)と日本での就労経験(3年以上)と職種(Web)でした。現地でDeveloperとして就労している肩書きと同じ肩書きの就労経験と学位があれば、カナダ永住権取得は時間の問題だと思います。永住権を視野にいれているのであれば、早めに条件を確認したり、ビザコンサルタントに相談するのが良いです。
…若人よ、勉強は裏切らないぞ。親に感謝して学位を得よ。それと働け。
英語力
自慢ではないですが、それほど話せません。程度でいうと、話しかけられてもYes/Noもしくは1単語でしか即答できないくらいのレベルです。逆に言えばYes/No/1単語では即答できるレベルです。
思い返せば、初日の入国審査では審査官に何を聞かれているのか全く理解できず、呆れられました。とりあえず学生ビザの申請書を見せたら通してくれました。そのあと空港職員の方に連れられ、気づいたら学生ビザを持っていました。
それと、最初の頃に苦しんだのが否定疑問文への回答。
例えば『You have not eaten dinner yet, right?』とこられた時に、まだ食べていない場合は『No!』と答えなければならないのですが、日本語脳では『Yes!』と言いたくなる。『まだ晩ごはん食べてないよね?』『うん、まだ食べてない!』というのを1年くらい引きずってました。つらい。しかも『Woud you mind〜』の疑問はシンプルにYes/Noが逆になるという、脳内変換地獄の入り口。
でも人間の適応能力は凄いもので、語学学校やら専門学校に通い続けて3ヶ月くらい経った頃に突然「ask」という単語が「尋ねる」と変換することなく「ask」のまま理解できることがありました。そこからは徐々に英語がマシになって、英語嫌いな自分でも家の契約や就職面接がこなせる程度にはなっています。もちろん、上に書いた否定疑問文も今となっては自然に答えられます。
詳しくは近々Podcastをやろうと思っているので、そちらで話したいと思います。
Web技術
バンクーバーに来る前は、バックエンドとモバイルをJavaとRuby中心で書いていました。
ただ、バンクーバーの市場的にもWebにステータスを振るほうが有利で楽しそうだと思ったので、スキルセットを見直しました。徐々にNode.jsに切り替えていって、何かを書こうとしたときにNode.jsでコードが思いつく程度まで仕込みました。
Node.jsで色々書けるようになってきたタイミングでJavaScriptとjQueryをさらって、TypeScriptに移行していき今に至ります。ReactやVue.jsも、個人的にモバイルの感覚を活かせたElectronアプリ開発を通して習得しました。あとはインフラ周りの知識をDockerやAWSで活かして、Webサービスひとり完結マンとして生涯を終えます。
Magic: The Gathering
後述する流行への追いつきがなくなって悶々としていたところに、トレーディングカードゲームの原点にして頂点、マジック・ザ・ギャザリングの光が差し込みます。
ポケモンカードゲームとマジック・ザ・ギャザリングのどちらをやるか迷っていたときに、マジック・ザ・ギャザリングから初心者向けのデッキが発売されたので運命を感じました。買いますよね。ハマりますよね。ウン十万円つぎ込みますよね。
こちらではどんなカードショップに行ってもマジック・ザ・ギャザリングが置かれていて、毎週末イベントで賑わっています。オンライン版(PC)も正式リリースされました。みんなやろうね☆
バンクーバーで失ったもの
お金
専門学校時代は一切アルバイトなどを行わなかったので、前半は出費だけでした。ざっとウン百万円。
ところで、英語での接客業をした友人はほぼほぼ英語がペラついていたので、アルバイトはかなり効果がありそうです。が、これは難しいところで、元々スキルがなかったり業界未経験の方がアルバイトをして時間ジリ貧で敗退する例も多く見かけました。
比較的スキルに悩みがない自分としては、英語も人付き合いも得意ではないので、矯正する意味でも英語でアルバイトをしておけばよかったかなあと思います。人が好き!というタイプの方はアルバイトもなしにグングン伸びていくので、いいなあ。
変態(褒め言葉)との戯れ
正直、バンクーバーの技術レベルは決して高くありません。低くはないと思います。低くはないと思いますが、確実に東京のほうが高いです。
そして日本で多く出会った「興味から勝手に手が動いちゃうタイプの変態(褒め言葉)」が、当時探してもほとんどいなかった。現地のスキルが高い人も結構な割合でビジネス先行の考え方の持ち主。それはそれで良いことなんですけどね。自分とは合わない、というだけでした。
小規模でいいからハッカソンみたいなことをやってワイワイ開発したいと何度か提案したりもしましたが、参加者が確保できそうになく断念。現実は厳しいですね。
バンクーバーにはAmazonやMicrosoftなど東京にもあるビッグカンパニーもあるし、会う努力が足りないと思われそうですが、一人の変態寄りの人間が他の変態(褒め言葉)に会えなかったのも事実です。
日本の流行への追いつき
「Twitterのタイムラインと時差ができた」というのが一番の原因です。寝ている間にタイムラインが一番盛り上がっていて、朝起きたらみんな寝てしまっている。もうTwitterなんて見なくなります。実際、今はほとんど見ていません。反応遅くてごめんね☆ミ
幸い『シン・ゴジラ』や『君の名は。』はバンクーバーでも上映してくれたので若干遅れながらも見ることができました。しかし、それ以外はほぼナシ。『天気の子』(これは時間の問題かも?)もドラ○エの映画も見れない。漫画はKindleで、ゲームは他言語版やオンライン版を購入することで、なんとかついていけている感じ。
…ただドラマとお笑いに全くついていけないんだよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
ゲームの技量(主にアーケード周り)
beatmania IIDXがドン引きするほど下手くそになりました。もう皆伝なんて夢のまた夢。中伝がギリギリ無理そう、でもMENDESは余裕だわ。という感じです。
恐らくbeatmaniaはバンクーバーで1番(バン1)上手いので、私も俺もプレイしてるよ!っていう方は一緒に特訓しましょう。
総じて…
バンクーバーに来て、5年。日本に帰った回数、無限。
英語に抵抗なくなったし、日本でもカナダでも好きなほうに住めるし、爆アドですわ。